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財団法人母子健康協会 第31回シンポジウム 「保育園・幼稚園における感染症と対応」
2.「保育園における感染症対策…園医の立場から」

和田小児科医院院長 和田紀之先生

次に、保育園における感染症の現状を知らなくてはいけないということで、これもアンケートをとりました。日本保育園保健協議会というところでアンケートをとりました。平成22年4月時点で保育所定員は215万8、000人で、この1年の増加数は2万6、000人でした。保育所を利用する児童の割合は、3歳未満児で22・8%、3歳以上では41・7%となっており、待機児童数も2万6、275人で、3年連続増加しているわけです。

平成22年6月の感染症対策への取り組みの現状について調べますと、保育園の2万2、933施設でアンケート調査を実施し、回答が全国47都道府県ほとんどから得られた結果があります。

1番目に「保育保健の専門職」について。

嘱託医の主な診療科目は何かというと、一番多かったのは小児科でした。いままでデータをとった中では一番高い数値であります。51・3%が小児科であったということ。(表1)

表1、表2、表3

看護師の勤務形態はどうかというと、何らかの形で看護師が保育園に関与している園は、常勤が26・4%、非常勤が8・2%と、まだまだ少ない数値であります。(表2)

保健師に関しましては、「いる」というところが3・8と、さらに少ないわけであります。(表3)

次に、先ほど出ました「保育所における感染症対策ガイドライン」の活用状況です。これがどの程度浸透しているかということですけれども、アンケートをとりましたところ、ガイドラインを活用しているところが49・8%しかないわけです。「活用したことがある」というのを加えますと、84・3%に増えるわけであります。(表4)

表4、表5

3番目に、感染症対策に対して組織的な取り組みをしているかどうかということですけれども、「積極的に取り組んでいる」というところは33%です。数値から見ると、まだまだ少ない数値ではないかと思います。(表5)

次に、「保育所における感染症対策ガイドライン」です。これまで、保育園での感染症対策も「学校保健安全法」に準じた登園基準で対応してきたわけですけれども、しかし、保育園児は学童に比べて抵抗力が弱かったり、予防接種も未完了な乳幼児が多かったり、集団で過ごす時間が長かったりするなどの特徴があることから、独自のきめ細かい感染症対策の指針が望まれ、2009年に厚生労働省保育課から、「保育所における感染症対策ガイドライン」が発表されたわけです。

具体的な内容としましては、乳幼児の子どもの特性について書かれてあります。そして、保育所での衛生管理の詳細、家庭との連携、ワクチンによる予防、登園基準などであります。登園基準など、学校保健安全法とは異なる点もあり、このほか、日々の子どもたちの体質や症状に合わせた対策がとれるように、「子どもの病気〜症状にあわせた対応」も記載されておりますので、利用していただきたいと思います。

ガイドラインの作成の背景には、感染症に対する正しい知識を保育園関係者に持ってもらうこと。その上で保育園における感染症対策を徹底することであります。

保育園がするべきこととしては、1番として、保育所内の感染症対策委員会の設置です。2番目に、市町村感染症対策委員会の設置、3番目に、保護者向け感染症対策手帳の作成・配布です。4番目として、医療機関向け感染症対策のしおりの作成・配布。そして5番目には、感染症サーベイランスの設置などが必要になってくるわけであります。感染症対策を推進する環境づくりと、保護者、職員などへの教育・意識を高める啓発活動などが挙げられると思います。

下に、そのまとめたものを表として載せてあります。「ガイドラインを受けて保育所が対応すべきこと」、こういうことを検討して進めていっていただきたいと思うわけであります。

ガイドラインを受けて保育所が対応すべきこと

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