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第33回母子健康協会シンポジウム 「食物アレルギーのお子さん達が健やかに育つように…ガイドライン作成を機会に」
4.総合討論(1)

前川それでは、時間が来ましたので、後半、5時までの総合討論を行いたいと思います。

休み時間中に皆様が書かれた質問と、前もって私たちにくださった質問をもとにして、海老澤先生と伊藤先生にお答えをしていただきたいと思います。

それでは、先生方、よろしくお願いします。

伊藤たくさんの質問をいただきましたので、できるだけ共通のテーマに関するものをまとめてお答えしながら進んでいきたいと思います。途中で、そのテーマについて皆さんからご質問があれば、直接そこでお受けしたいと思います。どうぞ気楽に、質問があったら声をかけますので、手を挙げてご質問ください。

とても短い時間で質問を仕分けましたので、必ずしもうまくいっていないかもしれませんが、やってみましょう。

まず最初に、アレルギーをそもそもどんなふうに診断しているのか、正しく診断されているのかどうか、というあたりの問題からスタートしたいと思います。IgE抗体という検査をどんなふうに考えたらいいかというご質問を、二、三、いただいています。
「IgE抗体というのは何ですか」という質問です。

これは医学的にははっきりしていて、IgE抗体というのは体の中でアレルギー反応を直接起こす働きをしている抗体です。血液検査というのは、その子が抗体を持っているということについては、間違いなく正しく測っています。抗体価という数値の高さ、そのお子さんがIgE抗体をどれだけの量を持っているかということに関しては、間違いなく検出している検査です。

ただ、その次の問題として、その子が何かを食べたときに症状を起こすか、起こさないか。どのくらいの量まで食べたら症状が出るのか、あるいは、どんなに強い症状が出るのか。そこまで検査の数値で予測がつくか、そういう問題になるわけです。プロバビリティーカーブという図をお見せしましたけれども、例えば、抗体価の高い方が100人いたら、そのうち80人までは症状が出る可能性があるとか、抗体価が低かったら、100人いたうちの20人ぐらいは症状が出る可能性があるとか、そういう確率は読み取ることができます。これは、私たちもかなり膨大なデータを持っていますので、専門医が読めば、あなたが食べたときに症状が出る可能性は、8割は出るとか、5割ぐらいかなとか、まず9割は大丈夫だよとか、そういうことは専門医、慣れた人が診ればわかります。ただ、最終的にあなたが8割のうちの8割にいるのか、2割にいるのかは、食べてみなければわからないというところで、最終的に結論を出すには経口負荷試験ということになります。

もう一つ大事なのは、抗体価の高さというのは、どれだけの量を食べたら症状が出るか、どんな強い症状が出るかということに関して、いろいろ解析してみても全く関連してきません。私たちが経口負荷試験を何千例とやってそれを解析しても、抗体価の高さと症状を起こした量の多さ少なさは、全く関連してきません。これは少し感覚的に難しい事ですが、値が高いからよけい注意しなければいけないとか、低いからきっと大丈夫だろうとか、そういうふうに言えないのがこの検査の限界です。最終的には、そのお子さんがどのぐらいの量でどのような症状を起こしたエピソードを具体的に持っているかどうか、ということに基づいて、その子の重症度を判断していただくことになると思います。

海老澤先生が先ほど、抗体価の数値を書けということに意味がないと言われたのは、そういう意味です。値が高いからよけい重症ですかというと、全くそんなことは示していないというわけです。

抗体が陽性のために暫定的にまだ食べたことがありません、という未摂取の方は、0歳から1歳、2歳ぐらいまでどうしてもいると思います。私たちは一定の年齢で意識的に経口負荷試験を行って、その時点で正しく診断しようとしています。

卵、牛乳、小麦のようにメジャーなものであれば、よほど高い値でない限りは、1歳代の間に経口負荷試験をやって正しい診断をつけて、解除なら解除、除去継続なら除去継続、と判断しています。少しマイナーな食品で、例えばピーナッツとか、魚、大豆なども基本的には同じです。IgE抗体というのはそのような程度に参考にしている、というのが正直なところです。

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