新型コロナ感染症と子どものこころ(5)

ここでも後でお話しするように、子どもや家庭からのSOSを拾って、ソーシャルネットワークをきちっとつくっていきましょう、つくってほしいですということと、それから学校ではこういう新型コロナ感染症に関する心理教育、つまり子どもの年齢・発達に応じて、正確な情報を与えて、不安があっても当然だということは、不安があるとこんな体の反応がありますよということを子どもたちに分かりやすく説明して、今のあなたがおかしいわけじゃない、みんな、こういう不安を持っていて、こんな体に反が出てくることもあるんだよということを教えてくださいということを提案しています。

これは、小学校の高学年、中学校だったら普通に言葉でいいと思うんですけれども、小学校低学年あるいは就学前だったらば、絵を描いたり、いろいろな人形を使ったりして、年齢や発達に応じて分かりやすく説明するということが必要だということになります。

そして、自分のいら立ちというのを自覚して、先ほどのお母さんたちのところにもあったように、不安を軽減する方法、リラクセーションというようなことに関して教育してくださいということを書かせていただいています。また、SOSを出しやすいようにしてほしいという兄弟がいじめられないように、そういうことはいけないよということをきちんと教えてください、そういう対策を講じてくださいということを書かせていただいています。こういういろいろな学会もそうですし、先ほど言いました国立成育医療研究センターなどでは、こうやって御家族向けとかストレス対処法とかセルフケア、リラクセーション、リラクセーションも呼吸法とかいろいろあるんですけれども、そういうことが書かれていますので、ぜひこういうサイトを訪ねていただいて、リラクセーションってこんなのがあるんだなと知ってほしいと思います。

国立成育医療研究センターのホームページ

特にリラクセーションとかセルフケアとかストレス対処法とかに関しては、ここでは親子ということで書いてありますが、実は特に学校の先生とか保育園の先生とか、子どもに関わっている方々にも知ってほしいことです。先ほど言いましたように過覚醒になりがちで、ずっと緊張しているということがありますので、リラックスする方法というのを覚えていただけると良いと思います。国立成育医療研究センターのホームページに、もう一つ子どもの心の診療ネットワークというのがあって、そこにも対人支援をしている方々のリラクセーションの在り方が書いてある「支援する思いを重いに変えないために」というサイトもありますので、もしよかったら訪ねてみていただいけると、セルフケアの必要性なども分かるかなと思います。

あと、成育のコロナのサイトで、「話してみよう!伝えてみよう!“子どもの権利”のお話」と書いてありますけれど、子ども達に、あなたたちはきちんと説明してもらう必要があるし、あなたたちが自分で考えていいんだよ、お話ししていいんだよというようなことが伝わっていくということもとても大切なことだろうと思っています。