5.おわりに

約60年前に開発されたガスリー法は、タンデム・マススペクトロメトリーの導入などの変遷を経て現在に至っています。「新生児全員を検査する点、障害予防を目的とする点、血液ろ紙の利用」など、「新生児マス・スクリーニング」のコンセプトは60年前に考案されたとは思えない完成度の高さで、天才ロバート・ガスリーの先見性に感銘を受けます。今後、先天代謝異常症や内分泌疾患以外の疾患にも新生児スクリーニングが拡大され、早期発見による障害予防に貢献していくものと考えられます。