4.総合討論(13)

吉永ここまで、皆さんに書いていただいた質問にいろいろ答えてきましたけれども、どうですか、今の話を聞いていて新たに浮かんだ質問というのはないですか。

橋本では、考えていただいている間に、もう一つ、いいですか。

私が3年前に経験した、これを「究極のHug」という言葉で言っていますけれども、あるとき、園長から園医の私に電話がありました。今までおとなしくて、いい子だった4歳に近い子が、この2、3カ月で急に変わって、子どもをたたいたり、いじめたり、怪我をさせるようになったことで、「どうしましょう、先生。何か心理の病院とか、精神科とか、病院に連れていくべきでしょうか」という連絡でした。

電話で聞いて、「最近2、3カ月で変わったということは、何か原因があるはずなので、病院へ行く前に、家庭をちょっと見てみたらどうですか」と言った。家庭を見るといっても、ドカドカドカッと入っていって、「何か変わりありませんか」と、そんな警察の調書みたいなことをやっても真実は出てこないでしょうから、日曜日でもいいから、「近くまで来たから寄ってみたよ。○○ちゃんは?」と、そんな感じでちょっと担任に家庭をのぞいてみてもらったらと。

それをやったら、何と3つのすごいことが起こっていたんですね。詳しくは言いませんが、児相に報告していいぐらいのことが3つ重なってありました。原因は明らかになったけど、園長は以前にも何かあったのでしょう。「児相には言いたくないです」とのことで園長の考えに任せることにしました。

それで園長が決めてやったことは、それがわかった翌日から毎日、その子のところに行って、座って、膝ついて、「○○ちゃん、先生に抱かせてちょうだい」、ここから始まったのです。「抱かしてちょうだい」「抱かしてちょうだい」。最初は全然寄りつきもしません。ずーっと続けで、2週間ぐらいでやっと、行ったらパッとくるようになった。しかし、入ってきてもすぐ出ていきます。でも、それを毎日続けていきましたら、1カ月になってやっと本当に抱けるようになり、抱かれて緊張がとれていった。

そこで、それにタッチケアを加えながら、あまりしゃべらずに、優しく何か言葉をかけることの繰り返しを、1回に10分、20分ぐらい、毎日続けたのです。

そうしたら、3カ月過ぎぐらいになってその子の行動が変わってきた。すごく落ち着いてきたんですね。4カ月目になって、もう大体落ち着いたみたいだから、今度は担任の先生に代わってと、担任の先生にこれを代わっていった。

そしたら、面白いことが起こって、その子の部屋は2階なんですけど、時々その子が下の園長室までおりてきて、窓からのぞいて、ドアがあいていると、ツツッと園長室に入ってきて、「園長先生、抱かせてあげるよ」と、ここまで変わってくるんですね。

園長からそんな話を聞いたとき、本当に感動しました。ただ抱いてさすってやるだけでその子が変わった。まあ、3カ月以上はかかりましたが、それだけHugの効果というのはあるんだなということを、あらためて確認させてもらいました。

前川どうですか。どなたか、ご質問ありませんか。難しく考えないで。

はい、どうぞ。