総合討論(9)

もう一つ、要因としてありまして、家族・家庭の問題というのがあります。環境的に、非常に住環境が狭いとか、そういう問題もあったりします。ご兄弟が多いとか。親御さんも非常に多忙でなかなかかかわれない。そういう環境もあります。それから家庭内の不和です。お父さん、お母さんが仲が悪かったり、同居されているご親戚もいればそうです。それから、親御さん自体がご病気を抱えていたり、経済的に困難だったりする。

こういう要因も絡んできますので、一概にワンパターンで「園ではこういう様子です。気になるので、心配なので、お母さん、お父さん、一緒にこういうふうにやりましょう」というふうに伝えても、なかなか伝わらないということがありますから、今言ったような要因を鑑みながらやっていかなくてはいけないということです。

私は、先ほどもちらっと、保育の計画を立てるにも、目標で一つとか、まずできることとお話ししましたけれども、これは親御さんにも当てはまることです。最初に「これはできるよね、お母さん。これはやれるよね。お母さんと園と共通理解できることはここだよね」というのを見つけていただいて、その1個からスタートする。できることからスタートすることが、恐らく親御さんへのアプローチの仕方として大事なのかなと思っています。