総合討論(2)

秋山 前川先生のおっしゃるとおりで、健診はスクリーニングなので、診断をする場ではないというのがまずあります。たとえば3歳児健診で発見したい子どもは、集団行動で明らかになる子どもたちが多いです。

3歳児健診で個別でお名前が言えたり年齢が言えたり、うまく診察ができると、問題なしになりますが、本当は、集団の中でみんなと一緒に遊べるかとか、ひとり遊びばっかりしていないかとか、その点を聞き取る必要がありますが、3歳児健診のときはまだ幼稚園に入っていないお子さんもいますし、保育園で慣れているからうまくやれている場合もあり、3歳児健診で発見するのは難しいです。

同じような問題が就学時健診でありました。今は就学時健診も五、六人とかグループをつくって、集団での行動を観察するようになったのはそのためです。ですから、3歳児健診の後の子どもたちの様子が、私たちはとても心配なので、集団に入ってからの何か気づきがあった場合は、相談につなげていただく。あるいは、今、5歳児健診というのがありますので、5歳児健診をやっている医療機関で就学に上がる前に、5歳になったときに健診をして、学校に上がる準備をしていただくといいかなと思います。