保育所・幼稚園における「育てにくさ」への対応(13)

それから、周囲の環境です。地域とか、住環境も含めてです。

保護者と連携Step-up

保護者と連携していかなくてはいけないので、この下の段から上の段にステップアップしていってくれるといいのですけれども、ある地域で700人ぐらいの保育者の先生方にご協力いただいて、担任をしている育てにくいお子さんとどう連携していますかというところの右側に数字が入っています。下から2つ目のところでとどまっているというのが、約7割です。本当は上のほうまでいって、ご家庭と保育所・幼稚園とが一貫した対応がとれるのが一番理想的です。でも、そこまでいかない。

その手前の、お父さんと共通理解できるというところもなかなかいかない。ほとんどが、助言をし合ったり情報交換をし合ったりというところでとどまっている。でも、一番下の、保護者との親和性とか信頼関係というのも実は大事です。ですから、この順番で下から上にどんどんと上がっていっていただけるような手続をとっていただけるといいのかなと思います。

具体的な保護者との連携ツールというと、一般的には面談、話し合いというのが多いのですが、今、先生方もなさっているかもしれませんけど、保護者に実際に保育参加してもらう、保育参観していただくような方法も非常に有効だとされています。連絡帳も、なかなか書いて渡すのは難しいですし、文字だけでいくと理解が難しいということもあるのですが、やはり工夫した連絡帳をつくっていくということも大事です。それから、保育者が関係機関に同行していって、いろんなことを情報収集することも必要かなと思います。

後ほど具体的なお話はさせていただきたいと思いますが、最後に、障害とか病気については、やはり病院での診断基準について設定されている区分けなのですが、この育てにくさということに関しては、実は感じ方の問題なんですね。ですから、先生方だけが感じていても、実はあまり意味がない。親の感じ方はどうなのだろうか、保育者の感じ方はどうなのだろうか、周囲の感じ方はどうなのだろうかという、この3つの感じ方が大事です