保育所・幼稚園における「育てにくさ」への対応(4)

困り感というのは、職員の方の困り感です。何を言いたいかというと、実は、そういう行動があったとしても、職員の方はあまり困っていないよというようなことだってあるわけです。感じ方の問題ですからね。衝動性が強いとか、行動コントロールの弱さ、こだわりの強さとか、社会性が低いというようなことが原因として起きています。一方で、ここに書いてある行動―場面の切りかえが悪いとか、遊びのルールが守れない、悪いことをしても謝れない、指示に従わないといっぱいありますけど、実はここに書いてある行動は、割と幼児期に支援が必要だ、個別に対応しなくてはいけないというお子さんたちは結構多いですよという項目を聞きましたが、意外と学童保育に行くとこれは少な目です。ごらんいただくとわかると思います。

何が言いたいかというと、実際は、今の時期やっている行動なのかもしれない。もうちょっと大きくなるとおさまってくるのかもしれない。または、違った形で問題がまた出てくるかもしれないというようなことで、やはり個人差がいろいろです。

先ほどご紹介したように、例えば障害のあるお子さんがクラスにいたら、障害のあるお子さんに直接かかわりを持ちますし、または診断がついていない、でも個別に支援が必要だなというお子さんにもかかわりが必要です。その子たちとのトラブルが起きたり、「どうして○○ちゃんは××なの」と周りの子たちが聞くわけでして、それに対して担任の先生はお答えしていかなくてはいけないですし、どういうふうにつき合うといいよということも教えていってあげなくてはいけないわけですよね。説明をしなくてはいけない。同時に、ご家族とも相談や説明を進めていく。こういったことが日々行われていくのだろうなと思います。

先ほどご紹介したように、「もしもこんな子がいたら」という調査を学童保育所にしましたら、こういうちょっかいを出してしまうというようなお子さんに対しては、相手の気持ち、髪の毛を引っ張られたりしたら嫌な気持ちになるよ、というようなお話を丁寧にして伝えていく、指導していく。だから、相手の子どもの気持ちに注目させるような内容というのが、職員の方には多い。一方で、周りの子たちにどんな説明をしますかというと、「『やめて』『痛い』って言ってごらん」と言うぐらいで、なかなかうまく説明できているという現状がないですね。先生方はどうしていますか。