⑵高身長あるいは身長の伸びが良い場合(図2B)

身長が伸びている場合、本人や家族が心配されることがないのが普通です。しかし中には問題が隠されている場合があり、その問題が成長曲線をつけることによって明らかになることも少なくありません。以下の場合も専門医受診が必要です。

  • ●: 生来背が高くそれがずっと維持される場合は体質性の高身長である場合が考えられます。普通ご両親が高身長であることが多く、心配がないことが多いものです。しかしながら、中には下記のような高身長と区別する必要がある場合があるので、−2.0SD を超えている場合も一度専門医に相談されることをお薦めします。
  • ▲:成長の過程で突然に身長の伸びが急激になり、そのまま高身長を来す場合があります。時に、成長ホルモンを分泌する腫瘍が脳内にある場合がありますので、注意が必要です
  • ◆:同様に幼児や低学年の児童の身長が突然伸び始めるときも注意が必要です。とくに男児では睾丸が大きくなってきたり、女児では乳房が大きくなってきたりすることがあります。これは思春期の始まりのサインです。この状態を思春期早発と言います。小さく産まれた赤ちゃんが出生後に平均身長に追いついた後に、思春期早発を呈する場合もあります。なかには、「早く大人になってきた。」と喜ぶご家族もおられますが、最終的には低身長になってしまいますし、まれには体の中の腫瘍が原因の場合もありますので、専門医への受診を必ず勧めなければなりません。

今回は体重の増減については触れませんが、突然の体重増加や体重増加不良や時に減少といったことが成長曲線からわかりますので、体重も併せて成長曲線に記録する必要があります。

図2B B 身長の伸びが良い