保育園・幼稚園における感染症対策(2)

麻疹・風疹:入園前にMRワクチン接種歴を母子健康手帳で確認し、1歳以上でMRワクチン未接種・麻疹風疹未罹患者にはワクチンの接種を強く勧め、入園時にワクチン接種が済んでいることを確認します。0歳児には、入園後1歳になったら直にワクチン接種を勧めます。小学校就学前1年の幼児には、MRワクチンの第2期接種を勧めます。万一園内やその周辺で麻疹や風疹が発生した場合、入園児および職員全員の予防接種歴や罹患歴を確認し、ワクチン未接種・未罹患者がいる場合は、嘱託医に速やかに相談し、適切な緊急対応を取る必要があります

水痘:入園前に水痘罹患歴や水痘ワクチン接種歴を母子健康手帳で確認します。1歳以上で未接種・未罹患者にはワクチンの接種を強く勧め、入園時に2回のワクチン接種がすんでいることを確認します。0歳児には、1歳になったら直にワクチン接種を勧めます。万一園内で水痘が発生した場合、入園児および職員全員の予防接種歴や罹患歴を確認し、ワクチン未接種・未罹患者がいる場合は、速やかに嘱託医に相談します。妊婦から胎児への母子感染の防止も重要ですので、保護者に水痘の発生を知らせる必要があります。

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ):任意接種ですが有効なワクチンがあります。園内での集団生活が始まる前に罹患歴やワクチン接種歴を確認しておくことが大切で、1歳以上の未接種・未罹患者には、集団生活開始までにワクチン接種を済ませておくことを勧めます。保育園、幼稚園でおたふくかぜの流行が発生した場合は、感染拡大防止のため、ワクチン未接種・未罹患者には自宅で待機してもらうことを考慮します。

細菌性髄膜炎:インフルエンザ菌b型や肺炎球菌による細菌性髄膜炎は、園内での集団生活が始まる時期に発生頻度が増えますので、生後2か月に接種を開始し、入園前には年齢相当の接種を済ませておくことが大切です。入園前に母子健康手帳で接種歴を確認し、ワクチン未完了者には、入園までに相当の接種を済ましておくよう勧めます。

B型肝炎:2016年4月以降に生まれた者は定期接種の対象ですので、入園前に母子健康手帳で年齢相当のB型肝炎ワクチン接種が済んでいることを確認し、ワクチン未完了者には、入園までに相当の接種を済ましておくよう勧めます。2016年3月以前の生まれでB型肝炎ワクチン未接種の者は、任意接種になりますが、保育園、幼稚園に入る前にB型肝炎ワクチンを接種しておくよう強く勧めます。