設立80周年記念 第35回母子健康協会シンポジウム(東京会場)
「保育における言葉とコミュニケーション」子ども達と保護者と共に育ちあいつながりあう保育

総合討論(5)

「先生の平均年齢は」というご質問は、今のところ、平均水準で30歳です。最初、無認可のときはそんなにはなかったけれど、だんだん定着して、みんなが頑張っているから、平均定着率10年です。まだ頑張ってくれると思っています。ですから子どもを産んでも働き続けられるように、そんな環境をつくっていってあげたいなと思っています。

「体調を壊している子どもはどうしますか」というのは、よく聞かれますけれども、うちは、体温は38度まで頑張ってやっています。指針もきちんとありますから、体温計で測って、熱があったら受け入れません。38度以上になったら帰します。恵まれていることに、看護師が2人います。看護師が一生懸命に対応します。

熱がある時は、「お母さん、お熱があるよ。どうしますか」と、連絡します。病後児・体調不良児というのを、新宿区では認めてもらっていませんが、父母会との協定で、忙しい保護者が多いので、1時間以内にお迎えが来るときは無償です。1時間1 分過ぎたら1、200円と決めています。2時間なら、次の日に請求書が行って、2、400 円とかいただきます。でも、私たちはお金がほしくてするわけじゃない。子どもを早く迎えに来てもらって帰すのが本来の姿です。だから、お母さんたちはちゃんと迎えに来てくれます。体調不良児、感染症とかになったときは、お熱がなくても理由を言ってちゃんと戻します。

中には、エーッとか言う親はいますが、最終的には私が電話します。「園長だけど。さっき看護師が電話したら迎えに来られないというけど、来てほしいな」と。園長から電話があったら、すぐ来ます。で、そういう体調不良児は22時まで見ています。その次は、ホームドクターの薬を持ってくる分は受けます。看護師をつけます。そういう感じで回っています。でも、皆さんちゃんとお迎えに来ます。

あと、感想をいただきました。ありがとうございます。「24時間保育には賛否両論」、本当にあるんですよ。いいとか悪いとか、あると思います。きょう、皆さんも初めて、24時間とか夜間とか聞いて、びっくりしたと思いますが、でも、必要性があるところには24時間不可欠です。つくってほしいなと思います。葛飾でもどこでもそうです。繁華街を抱えているとか、そういうところは必要性があります。

でも、これを阻んでいるのは議会です。どこへ行っても、議員さんたちが、「長時間、そんなに子どもを預けていいのか」とか、すぐ言いたがります。「現場を知らないで言わないでね」と、私はいつも言います。だから、必要性のあるところには、夜間保育園とか、24時間とか、そういうのをつくっていいと思います。

子どもたちには、うちの保育理念にもあるように、「生きる力」を身につけてあげたいのです。それと、「子育ては、親や保育士が育てるように思います」とありますが、まさにそうです。親とか保育士が努力しないと、子どもは成長しないと思います。だから、私たちのやっている仕事は本当にうれしい仕事であって、世の中に小学校以上に出したときに、あそこの保育園出てよかったねとか、そんなふうになったらいいですよね。うちには24時間回している学童があるんです。50人定員で、泊まりもマックス20人いるんですよ。保育園から上がってくる、親の仕事が忙しい子どもたちを、職員はシフトを組みながら、ちゃんとした環境の中で育てています。

最後に、夜間保育所連盟の中で、全国八十何カ所しかない、そういう夜間保育園とか、夜間の学童を出ている子どもたちに、アンケートを取りました。うれしかったですよ。「先生、やさしい人になりたい」とか、「世の中の役に立つ子どもになりたい」とか、そういうのがものすごく多かったんです。とてもホワーッとして温かい気持ちになりました。

私も九州にいるときは、普通の保育園に7年間勤務しました。昼間の保育園で一生懸命子どもたちを育てました。でも、楽しかったです。保育者というのはとってもいい仕事です。私も性格がこうだから、いろいろと親の対応がざっくばらんで、でも大丈夫ですよ。きちっとした親には気持ちは通じるし、本音で話したら伝わると思います。

これは宣伝じゃないですけど、東京に一つしかない夜間保育園です。いつでも遊びに来てください。そして現場の目で見て、ああ、やっぱりこうなんだと思っていただけたら、私は最高だなと思います。そして、全国でも夜間保育を必要としているところはまだいっぱいあるかもしれません。昼間の延長型で10時までやっている保育と、私たちがやっている夜間保育というのは、意味が違うんです。それを理解するのもちょっと大変かもしれませんが、東京に一つでも二つでも、夜間保育園ができたら最高だなと思います。帰ってから、片野がこう言っていたと、園長先生たちに言ってください。遊びに来てください。何か悩みがあったら、どうぞ遊びに来てグチを言ってください。

すみません、長話で。ちょっとお返事になったかどうかわかりませんけれども、たくさんいただきありがとうございました。

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