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検尿検査の今後の課題

徳島大学大学院 発生発達医学講座 小児医学分野 教授 香美 祥二先生

検尿検査の今後の課題

現在、検尿検査は腎疾患に罹患している子どもを無症状の時期に発見して治療に取りかかる契機となっており、子どもの健康を守る上で大きな役割を果たしています。しかし、欠点もあり、血尿単独、あるいは軽度蛋白尿の状態の子どもに不要な制限や不安感を与えてしまうことが指摘されています。さらに、現行の試験紙法では尿路感染症あるいは先天性腎尿路異常の低形成異形成腎、先天性水腎症などの疾患を発見することが難しいことも問題です。尿比重、尿糖、尿中NAG、β2—ミクログロブリンを調べたり、腎エコー検査を行えば先天性腎尿路異常が早く見つかるのではないかと考えられていますが、予算や医療者のマンパワーの問題で実現が難しいのです。

また、中学生や高校生の一部には検尿結果を家庭に持って帰らない場合や、保護者の一部には検尿異常を伝えられても子どもを医療施設に受診させない場合があり検尿制度上の問題となっています。現在、子どもの腎疾患の診療を専門とする小児科の先生(小児腎臓専門医)は上記問題を解決するために保健所、学校、地域医師会、行政と協力し検尿施行体制の改善とさらなる充実に向けて努力しています。

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