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先天性免疫不全症について

富山大学大学院医学薬学研究部 小児科学教授 宮脇利男先生

先天性免疫不全症とはなにか

先天性免疫不全症は、エイズウイル感染者や抗がん剤投与者でみられる続発性もしくは2次性免疫不全症に対して、一般に原発性免疫不全症とも呼ばれますが、原因遺伝子が分かってきている時代なので、「生まれつき」の免疫不全症であることより、先天性免疫不全症と呼びたいと考えています。基本的に獲得免疫や自然免疫のどこかに、先天的な欠陥があり、同じ病原体による感染症を反復したり、重症化したりするのが特徴です。時に、膠原病などの自己免疫疾患を発症したり、悪性リンパ腫等のがんを若年者であっても発症したりします。先天性免疫不全症の発生頻度について確かなことは不明ですが、2000から10000万出生に一人は先天性免疫不全のなにかの病気を背負って生まれてくるものと推測されています。先天性免疫不全症は、①B細胞機能の欠陥、②T細胞機能不良、③好中球の機能や数の異常、④様々の他の異常を伴うもの、⑤補体の欠損症と大きく5種類に分類され、疾患単位として160以上が知られています。最近では、大部分のものが、原因遺伝子が分かってきていて、確定診断には遺伝子解析が必須となっています。

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