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財団法人母子健康協会 第30回シンポジウム 「保育における食物アレルギーの考え方と対応」
3.「幼児期の食物アレルギーへの対応」

あいち小児保健医療総合センター 中央検査部長兼アレルギー科医長 伊藤浩明先生

伊藤どうも皆様、初めまして。きょう、私は愛知県から参りました。実は東海地区でも、現場におられる方たちの研修会はすごく盛んに行われています。それは、教育委員会、保育士会、栄養士会、保健所関係とか、あるいは、愛知県はNPOがかなりしっかり動いていまして、NPOがたくさんの連続講座などをやっています。毎回たくさんの方が参加されて、現場の方が勉強していかれます。逆に言うと私たちは、患者さんも診ますし、こうやってサービスを提供しておられる現場の方々の声もたくさん聞いて、その話の接点を見つけていくということをいつもしています。

海老澤先生と私は非常に感覚が似ていて、ほうっておくと二人とも同じ話をしますので、きょうは、あえてちょっとずつは違う話もしなければいけないのではないかと思っています。先ほどの太めのお母さん論というのは全く同じで(笑)、私たちもそんなお母さんからは「間違って食べちゃいました」と、よく言われます。

私は、2カ月、3カ月ごとに定期的に受診される患者さんに、「この3カ月間、何かトラブルなかった?」と必ず伺います。そうすると、「この間、こんなものを食べたら症状が出て、」、場合によっては「救急車で病院へ行きました」なんて話をよくされます。私はそういうときに、「どうして食べさせちゃったの?」という言い方は絶対しません。

これは、お母さんも重々反省しているのです。そこで「何で間違えたの?」と言う必要は全くない。ただ、そのときに何が起こったのかということをきちんと思い出してもらうことが大事で、それを記録していくことはとても大事です。「やっぱり除去が必要だということが再確認できちゃったね」と、そういうふうにとらえています。

「食べちゃったけど平気でした」という話もよくあって、その話が一番重要で、「よかったね。じゃあ、もう少し食べてみようか」とか、「じゃあ、積極的に負荷試験を一回やってみようか」と、そういう話が進むわけです。そんな感じで診療をやっています。

きょうは、主に幼稚園・保育園に入ってこられた子どもさんたちに、現場サイドからどんな見方をして対応していただいたらいいか、という話をさせていただこうと思います。

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