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第29回 母子健康協会シンポジウム 親と一緒に子育てを
2.発育に寄り添う保育
神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉研究科教授 小林正稔先生



コミュニケーションは自然微笑


 それを促進するためには、今日はコミュニケーションの基本は「笑顔」だということだけはしっかりと持ち帰っていただきたいです。皆さま方がどのような笑顔をつくれるかということが重要だと思っています。我々コミュニケーションを専門にしている人間は、子どもが持つ本能的なコミュニケーションの原点は何かということを聞かれると、「自然微笑」と答えます。生まれたばかりの赤ん坊が、瞬間的にニコッと笑顔になることです。
 大人が顔を覗き込むと例外なく反応してくれます。大人がその笑顔に反応しないでいますと、いつのまにか苦虫つぶしたような顔をした赤ちゃんになってしまうこともあります。
 幼稚園、保育園へ行ってもすぐわかります。担任の先生の笑顔が多いクラスは、みなちゃんと座っていて、ニコニコしています。そうではないクラスは、苦虫つぶしたような顔して走り回っています。脇から見ていますと、すぐわかります。
 小学校でもそうです。担任の先生が子どもとコミュニケーションが取れているところは、クラスに私たちが入ってもほとんど動じないのです。ところが、そうではないところは、誰かが入ったというので、一斉にこっちを向きます。
 相互作用です。笑顔というものをいかに促進するかということを考えていただければ良いのではないかと思います。子どもの発達だけに目を向けるのではなくて「発育」にも目を向けていただきたいということです。「発育」という言葉は、実は環境との相互作用による変化も含んだ言葉です。
 ですので、たまたま不幸にも、少し扱いの大変な親の子どもに生まれたということは、子どもが自ら選んだわけではないですから、子どもの責任ではないですね。この子も大切にしようと誰か思ってあげなかったら、健全な発育につながっていかないと思います。その最前線にいるのは皆さま方です。そこを自覚していただくこと。それがあれば、あとは、【表】をちゃんと守っていただけるだけで、親との共通項というのは出てくると思います。
 言い方を変えると、これはコピーライトフリーにしていまして、自分のものだと書かなければ結構ですので、「慌てない親」「欲張らない親」と書き換えて、親教育にも使っていただいて結構です。どんどん使っていただきたい。この意味といいますか、考え方の基本というのは大事だと思っています。




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