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第29回 母子健康協会シンポジウム 親と一緒に子育てを
2.発育に寄り添う保育
神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉研究科教授 小林正稔先生



小林 今回、シンポジウムのテーマを見たとき、皆さま方はきっと(決めつけてはいけないですが)、親とのコミュニケーションのテクニック、ハウツーを知ることができるのではないかと思って来られた方多いと思います。私は、大学で、コミュニケーション技術とか人間関係についても教えています。そこでも必ず言いますが、ハウツー、テクニックだけを学んでも、コミュニケーションがうまくいく例はほとんどないです。


コミュニケーションの基本は外見か


 もっと厳しい言い方をしますと、人間のコミュニケーションの一番の基本というのは「外見」です。学生にも、まず外見が大切だよと教えるのです。「いや、内面だ」と、大体ブーイングが来ます。でも、内面がちゃんとしている方というのは外見に現われているものです。ということは、皆さま方一人ひとりの「姿勢」が、子どもたちに対してどう向きあっているかということが、子ども達とのコミュニケーションを活性化することになり、さらに、親とのコミュニケーションの糧にもなるということなのです。私は、保育園、幼稚園、また、小学校、中学校、高等学校の先生方にお話しする機会も多いのですが、そのときに必ずお聞きすることに、「先生方、見られているということを忘れていませんか?」ということがあります。
 実は、子どもたちからも親からも先生方はいつも見られています。もっときつい言い方をすれば、「監視」されているのです。そこで評価されているのです。あの先生はやさしい先生、この先生は嫌な先生とか、もしかしたらランクもついていて、皆さま方の保護者の中ではもうリストが回っていて、順位表がついているかもしれないです。(笑)そういう中で皆さま方はお仕事をなさっているのです。
 もしかしたら、みなさま方も、子どもたちに対しても同じようにランキングをしているのではないでしょうか、まさかそんなことはしていないでしょうね? たぶん、今日おいでになっている保育士の皆さま方はそういうことは考えてはないと思いますけれども、でも、知らず知らずの内に、そうなってしまっているところがあるかも知れません。




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