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 「日本人の食事摂取基準」とは
 日本人の1日に必要なエネルギーや栄養素量を示した基準です。これまでの「日本人の栄養所要量」を2005年に厚生労働省が新たに「日本人の食事摂取基準(2005年版)」として策定しました。そして2015年4月より「日本人の食事摂取基準(2015年版)」が施行になりました。(以下、「食事摂取基準(2015年版)」)。
 「食事摂取基準(2015年版)」は健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギーおよび各栄養素の摂取量の基準を示したものです。栄養素の摂取不足によって生じるエネルギーや栄養素欠乏症の予防に留まらず、生活習慣病の発症と重症化の予防も目的としています。
(健康な個人または集団には、何らかの軽度な疾患があっても日常生活を送り、その疾患に特有な食事療法を必要としない人も含みます。)

 簡単にはどう見たらよいの?
 「食事摂取基準」は本来は栄養学を学んだ専門家によって適切に活用されるためのものですが、簡単な見方の例をご紹介します。
 標準体重域にある健康な人が自分に適した栄養素量を摂取しようとする場合、エネルギーでは推定エネルギー必要量、その他の栄養素では(2)推奨量(示されていない栄養素では(3)目安量)をめざします。簡単に見るための指標のみ抜粋した表を掲載しましたので参考にしてください。(ただし、栄養状態を評価する場合は考え方が異なりますので専門家にご相談ください。)

 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の表(抜粋)をみる

 耐容上限量の考え方は?
 耐容上限量は、この値を超えて摂取した場合、過剰摂取による健康障害が発生するリスクがゼロではなくなることを示す値です。したがって、この量にできるだけ近づかないよう注意する必要があります。
 また、栄養素によっては、耐容上限量が全部または一部示されていないものがあります。これらの栄養素の耐容上限量は、多くの場合、科学的根拠が不十分であるため数値が示されていないだけで耐容上限量そのものがないわけではありません。したがって、耐容上限量が示されていないからといって、多量摂取をすすめるものでも、多量摂取の安全性を保証するものでもありません。(2)推奨量(あるいは(3)目安量)を参考にした適度な摂取が大切です。
図1:食事摂取基準を理解するための概念図
(1) 推定平均必要量」:50%の人が必要量を満たす量(50%が欠乏、50%が充足)で、科学的に根拠があるもの。
(2) 推奨量」:ほとんどの人が必要量を満たす量(97.5%が充足)。
(3) 目安量」:特定の集団において不足状態を示す人がほとんどいない量。疫学的な観察研究に由来しているが、人で介入試験ができない等、十分な科学的根拠がないため(1)(2)が示せない栄養素で設定。
(4) 目標量」:生活習慣病の発症および重症化予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき量(図1には表示していません)。
(5) 耐容上限量」:過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量。
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