β(ベータ)-カロテン当量とは

 カロチノイドは植物や動物に含まれる色素成分です。このうち私たちの体内でビタミンA作用をするカロチノイドには、緑黄色野菜に多いα(アルファ)およびβ(ベータ)-カロテン、またみかんなどに多いクリプトキサンチンがあり、これらは植物中の赤、黄などの色素成分です。
 この中で、ビタミンA作用を最もよく発揮するのはβ-カロテンであることから、ビタミンA作用をするカロチノイドをβ-カロテンで代表して表したものがβ-カロテン当量です。α-カロテンおよびクリプトキサンチンのビタミンA作用は、β-カロテンの50%とみなし、次の式で計算します。

β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)

どんな働きがあるのですか

  β-カロテンには、ビタミンAの作用をするという働きのほかに、有害な活性酸素から体を守る抗酸化作用や、免疫を増強する働きがあることがわかってきています。
 また、β-カロテン自体がどれだけ役立っているかははっきりしないものの、β-カロテンが豊富な野菜や果物を十分に摂取することによって、心疾患やある種のがんのリスクが低減することも示されています。

どんな食品に多く含まれていますか

 β-カロテン当量が多い食品は、にんじん、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃなどの緑黄色野菜や、かんきつ類、スイカなどの果物です。
 食品中のβ-カロテンは、食材や調理方法によって吸収率が10%以下から60%までと大きく異なります。β-カロテンは油脂と食べると吸収がよいことから、効率よくとるためには、油脂を使った調理がおすすめです。ほうれん草のバターいためなどのように、ふだん気づかないで実行していることもありますね。

どれくらいとったらよいですか

 カロテノイドおよびβ-カロテンの適切な量はまだよくわかっていません。
 現在のところ、カロテノイド自体の欠乏症の報告はないようです。しかし、カロテノイドにはビタミンAの供給源としての役割があることから、動物性食品からとるレチノールが少なく、なおかつカロテノイドの摂取が不十分であれば、カロテノイドの不足はビタミンA不足として表れると考えられます。
 国民健康・栄養調査結果によると、私たち日本人はビタミンAの多くを緑黄色野菜や果物のβ-カロテンからとっています。これらの食品が不足しないよう十分摂取するようにしましょう。ちなみに「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」では、緑黄色野菜を1日120g摂取することが国民の目標とされています。
 一方、とり過ぎによる過剰症については、β-カロテンは体内の必要性に応じてビタミンAに変わることから、ビタミンAの供給源としてのβ-カロテンの過剰はないといわれています。
ただし、がん予防や循環器疾患に対する効果を期待して、サプリメントからβ-カロテンのみを大量摂取させた実験では、効き目がないか、あるいは有害であったと報告されていますので、摂取量などに十分に注意して適切なご利用をこころがけてください。
(β-カロテン当量の食事摂取基準はありません)

 
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