脂肪酸とは

 脂肪酸は脂質をつくっている成分です。脂肪酸は、その科学的構造から二重結合の数によって大きく3つに分類でき、二重結合がない飽和脂肪酸、二重結合がひとつの一価不飽和脂肪酸、二重結合を2つ以上含む多価不飽和脂肪酸に分けられます。さらに、この多価不飽和脂肪酸には、二重結合の位置によってn-6系多価不飽和脂肪酸(以下はn-6系脂肪酸)やn-3系多価不飽和脂肪酸(以下はn-3系脂肪酸)があります。これらの脂肪酸は食品にそれぞれ異なった割合で含まれていて、それぞれ体の中での働きが異なります。「栄養成分ナビゲーター」では、「日本人の食事摂取基準2015」で基準値が示されている飽和脂肪酸、n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸を算出できるようになっています。

どんな働きがあるのですか

飽和脂肪酸

 乳製品、肉などの動物性脂肪や、ココナッツ油、やし油など熱帯植物の油脂に多く含まれています。重要なエネルギー源であるとともに、飽和脂肪酸の摂取量が少なすぎても多すぎても生活習慣病のリスクを高くします。少なすぎると脳出血をおこす可能性があります。一方、多すぎると冠動脈疾患(心臓を養っている血管の病気)、肥満、糖尿病をまねく可能性があります。このため、適度な量の乳製品や肉類を食べることは、両方の場合の生活習慣病を予防することになります。

多価不飽和脂肪酸

 主に植物油や魚に多く含まれ、体の中で合成できないため食べ物からとらなければならない必須脂肪酸もこのなかまです。数個の二重結合を持つことから酸化されやすいため、これを含む油脂は劣化しやすいという特徴があります。
 日本人が摂取するn-6系脂肪酸のほとんどはリノール酸です。リノール酸は必須脂肪酸です。しかし、とり過ぎはアレルギーなどの炎症と関係することから、適度な摂取が大切です。リノール酸は、大豆油、コーン油、サフラワー油などに多く含まれています。
 n-3系脂肪酸には、調理油などに含まれている必須脂肪酸のα(アルファ)−リノレン酸、魚類に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などがあります。n-3系脂肪酸は不足すると皮膚炎などを生じます。一方、n-3系脂肪酸には生活習慣病の予防に役立つ様々な働きとして、血中の中性脂肪を下げたり、不整脈を予防したり、血液をさらさらにして動脈硬化を防いだりすることなどがわかってきています。

いろいろな食品を偏りなく

 健康の維持・増進のためには、様々な働きをするこれらの脂肪酸をバランスよくとりたいものです。そのためには、まずは脂質の摂取量全体を適切な量になるよう配慮した上で、魚を1日1回ほど食べ、油料理をする際は植物油にするなどして、肉や乳製品からの動物性脂質ばかりに偏らないようにすることが大切です。

飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・n-3系脂肪酸の
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