情報局 > 健康科学研究所 TOP > 歯についての研究 > 1-1.むし歯は生活習慣病?

私たちの体は、毎日の食事によってなりたっています。口と歯、そして舌も、ものを食べるための大切な器官です。そのどれかに不具合があれば、ものを食べることが難しくなります。食べることができないと、健康を維持するのが大変になるだけでなく、食べることそのものの楽しみも味わえなくなり、生活の質(QOL=Quality of Life)が大きく低下してしまいます。
中でも歯はむし歯などによって健康を損ないやすい組織です。口と体の健康のために、むし歯はどうしてなるのか、防ぐにはどうしたらいいのか、専門の先生にお話をうかがいました。
感染症とは、病原性の細菌が体の中で増殖して体によくないことを引きおこすことです。産まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはむし歯を作る細菌がいませんが、大きくなるにつれて大人からうつります。これを防ぐのはなかなか難しいのです。口の中にむし歯の原因となる細菌がいても、必ずしもむし歯になるとは限りません。細菌が増殖しないような生活習慣であればよいのです。細菌が増殖してしまう生活習慣をしているとむし歯になります。
むし歯は感染症ですが、インフルエンザのように感染そのものを防ぐのはとても難しいのです。
産まれたての赤ちゃんの口の中には細菌はいません。歯が生えてくるに従って、育ててくれている人から自然に感染するからです。むしろ、細菌がいてもむし歯にならないように、生活習慣を見直すことが大事なのです。
その前に、口の中の「脱灰(だっかい)・再石灰化サイクル」を見てみましょう。

この図のように、口の中では常に脱灰と再石灰化が繰り返されています。 このサイクルが正常に回らなくなり、脱灰の方向にばかり進むとむし歯になります。再石灰化の方向に進むような生活習慣をすることが大切です。
まず脱灰とは、歯を作っているリン酸とカルシウムが歯から溶け出すことです。
食事をすると、食べものかすを養分にして、口の中の細菌が増殖します。歯に付く白いねばねばしたもの、これがプラーク(歯垢)といって、細菌の塊です。
細菌はこのプラークの中で活動し、酸を出します。この酸が歯を溶かし、歯の成分であるリン酸とカルシウムが溶け出してしまうのです。
この状態を初期むし歯(初期う蝕)といい、このままプラークの中が酸性に保たれて脱灰がすすむと、むし歯になってしまいます。

歯の脱灰した部分にリン酸とカルシウムが補給されて、
歯がもとの健康な状態に戻ることです。
口の中ではこの脱灰・再石灰化サイクルが常にくり返されているのです。
だ液です。だ液は、歯の健康に大きな役割を果たしています。
だ液の中にはリン酸とカルシウムが含まれています。
ただし、だ液にはリン酸が豊富にあるのに対してカルシウムが少ないので、カルシウムを補ってあげると、再石灰化しやすくなります。
そのとおりです。
細菌の好む砂糖の多い食品や、歯を溶かす酸っぱい味のものなどをだらだらと食べると、歯が再石灰化する時間がなくなってしまいます。また、あまり噛まなくても食べられる軟らかいものばかり食べると、だ液が出にくくなります。
また、食べたあとは歯みがきをして歯の汚れを落としましょう。


いくつになっても「噛む」ことは生きていくために大切な行為です。
また、「噛む」ことの効用もたくさんあることがわかっています。
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