2010年04月 アーカイブ

チョコレート屋さんでのお仕事④

皆様こんにちは、杉本都香咲です。
お花見、行かれましたか? 私は毎日お店に向かう途中にある大きな1本の桜の木を眺めるのが恒例の(笑)お花見です。今年は開花してから寒い日が多かったおかげでまだ楽しめています。<朝>の桜と<夜>の桜、どちらも美しいですね。

それではさっそく、チョコレート屋さんでのお仕事の話パート4です。

チョコレートの工房とは別にパティスリーの工房があります。その日は朝から「パティスリーのお手伝いをしてきて!」とシェフに言われ、そちらへ。そこではすでに普段チョコレートの作業をしているマダム達も、作業台の前にずらっと並んでいました。

「な、なんだ!?今日は何が起きるんだ???」
もう一人の日本人研修生Kちゃんも不安顔。すると、奥のほうから男性パティシエが大きなお鍋(両手広げてやっと持てるくらいの大きさです)を抱えて、私たちのほうに進んできました。そしてその中身をおもむろに作業台に広げると…それは湯がかれた皮付きのアーモンド!そうです、今からこれを皆で皮むきするんです!

女性陣全員が壁の方を向いて、湯がかれたアーモンドをひたすら剥きます。なぜ壁に向かってするのか? それは、皮の上から押さえるとピッと中身が飛び出してくるので、皆壁に向かってするのです。(そうすると壁に当って作業台から落ちませんので。)

しかーし、可笑しい!全員横並びでピッ、ピッとアーモンドを飛ばしてる姿は。しかも奥からどんどん新しいアーモンドが運ばれてきます。何十キロあったのかしら!?段々手がしわしわになってきました。横でフランス人マダムが「まだあるのかしらね!」とちょっぴり不機嫌…。結局1時間程度でこの作業は終了。「あー、終わった終わった!」マダム達はいつもの持ち場へ戻っていきました、あっという間に人がいない!

さて、この湯剥きされたアーモンドは一体何に?
<ベルナション>では、自家製のマジパン(アーモンドと砂糖を練ったペースト)を作っているのです。ボンボンショコラのセンターにしたり、ケーキのカバーリングに使ったり、その用途は様々なのですが、フランス人はマジパンが大好き!和菓子で言うところの餡子なのかな、と私は思います。出来たてのマジパンの味や香りは格別で、元々あまりマジパンが得意ではない私ですが、その大変美味しいことにびっくりしました。「私達が剥いたアーモンド達も美味しいマジパンになるのかな?」

さて、お菓子の工房を後にしてチョコレートの工房へ戻った私の前に用意されていた物は、山積みになったアレでした…(続く)

チョコレート屋さんでのお仕事⑤

皆様こんにちは、杉本都香咲です。
今日はチョコレート屋さんのお仕事の5話目です。

前回の記事で書きましたが、<ベルナション>ではチョコレートはもちろんの事、それ以外の副材料もお店で作っています。

ある日、私の目の前に用意された山盛りのそれとは・・・オレンジピールでした!オレンジの皮を毎日少しずつ糖度を上げながら煮ます。1週間から10日ほどで出来上がり、それをチョコレートでコーティングしたり、刻んでお酒に漬け込んでパウンドケーキに入れたりなど用途はさまざま。どうやらこの日の私の仕事は、このオレンジピールをスティック状にカットすることのようです。

「このくらいの幅にカットして!ベタベタして切りづらかったら、このお酒をつけながらカットすると切りやすいから」シェフから指導を受け、いざカット。牛刀を使い、出来るだけ幅が同じくらいになるように切っていきます。濃厚なシロップが絡み付いていて、確かにベタベタして切りにくくなってきました。

カットしつづける事およそ2時間。

「・・・」

横にはまだまだてんこ盛りのオレンジピールがボウル一杯に入ってます。包丁を長時間使う仕事のときは特に気をつけないと、集中力が切れてくると思わぬ怪我がおきます。「よーし、ここは再度集中して、がんばっちゃわなきゃ!」ひたすら切る事さらに2時間。やがて牛刀を握っている手の1箇所が赤くなってきました。「きっと毎日やったら包丁だこになるんだろうな・・・」そうして、一杯だったボウルの底がようやく見えてきました。「やったー、もうすぐ終わる♪」

その時、すばらしいタイミングでシェフが登場。
「もうなくなりそうだね。次のボウルを持ってくるよ!」

さすがの私もおそらく「えっ!?」と驚いた顔をしたんだと思います。そうしたらシェフが「あはは、冗談冗談!今日の分はこれで足りるよ~、ありがとう!」シェフ、そんな冗談はいりませんって(笑)

シロップでベタベタになった包丁、まな板、そして自分の手を洗いスッキリ。気がつけばもう夕方。「さあ、今日の仕事も終了♪♪ また明日!」シェフと挨拶をし、家に帰るバスに乗りました。「明日は・・・zzz」
オレンジピールが夢にまで出てきそうな、そんな一日でした。(続く)

チョコレート屋さんでのお仕事⑥

皆様こんにちは、杉本都香咲です。
今日はチョコレート屋さんのお仕事の最終回です。

二週間という限られた時間の中で、シェフは私に色々な事を体験させて下さいました。それは私のためにはなったけれど、お店にとってはどうだったんだろうと、この仕事を長く続ければ続けるほど考えさせられます・・・

今思えば、研修生としてフランスで仕事をしていたときは<仕事>ではなかった、そう思います。あくまでも学校の延長のような・・・あの時に気がついていればと思う事がたくさんありすぎます。出来れば今、もう一度あの時のシェフと一緒に<仕事>がしたいです、無理なこととは思いつつも。

さて、いよいよ研修が終わってシェフにお別れの挨拶をした日のこと。
その当時はフランス語は日常会話ですら一杯一杯の状態でしたから、言いたかった事の2割くらいしか言いあらわせていない気がします。感謝の言葉と、色々と迷惑をかけて申し訳ないという気持ちをシェフにお伝えしました。

「残りのフランスでの滞在のあいだ、頑張って仕事して無事に日本へ帰るんだよ。又遊びに来なさい!」仕事には厳しいシェフでしたが、それ以外の時間はとても優しく、お店のスタッフからもとても信頼されていることが伝わってきました。半分涙目になりつつ「また来ます!」と、シェフと握手をしました。

その後10年ほど経った、あるイベント会場で偶然にもシェフと再会!「元気だったかい?!」優しいその笑顔は健在でした。私が仕事を続けている事をとても喜んでくれました。

いつか何処かで会えたなら・・・
今度は自分が作ったチョコレートのケーキを食べてもらいたい、そう思います。

香りの記憶

皆様こんにちは、杉本都香咲です。
今日のような、上着を手に持つほど暑い日があったかと思えば、冬のコートでも大丈夫じゃないの? と思うほど寒い日があったり…。天候が定まりません。先日何となく熱っぽさを感じ、「これは風邪引いたかな?」と慌てて栄養ドリンクを飲んでみました。お蔭様でその翌日はけろっとしてました。体調だけは崩せません!

さて、『母の日』ももう間近。お花や好きなスイーツなど『母の日』のプレゼントにアレコレ悩んでいらっしゃる方もいるかと思います。中には香水を贈られる方もいらっしゃるのではないでしょうか? そこで今日はちょっとした<香り>のお話を。
perfume.jpg

私は仕事柄、香水をつける事は殆どありません。個人的には好きなので、お休みの日だけつけることがあります(そのお休みがないのが…)。

先日、教室のあるマンションの入り口である男性とすれ違いました。その時ふわっと私の鼻に香った匂いに反応「おおお、私の持ってる香水と同じ匂いだ♪」振り返った時、すでにその人はいなかったのですが、引き出しにしまいっぱなしになっていた香水のことを思い出し、さっそく帰って瓶を引っ張り出して蓋を開けてみました。

「そうそう、これだね♪」その香水は男性用だったのですが、ちょっと<お香>のような香りで気に入って使っていた事が。ほのかな香りに思い出すのは、その香水を使っていたころの自分。頭の中に少しずつ記憶がよみがえりました。若かりし頃の自分が(笑)

また別の日、久しぶりにお菓子の食べ歩きに行きました。行く時は2軒3軒と食べ歩くのですが、その2軒目のお店の入り口の扉を開けた時「え?研修先のお店?」…フランスで仕事をしていたパティスリーと同じ香りがそのお店から漂ってきました。しかも本当に同じ匂い。ちらっと厨房を見てみると、お店で使っていたものと同じチョコレートやジャム、同じメーカーのフルーツピューレの箱が見えました。

「やっぱりこれだけ同じ物を使ってると、香りも似るんだろうな~」科学反応、かしら? そのお店の中にいる間、研修先でお菓子を作っていた頃の自分が幾度となく思い出されました。

<香り>は目には見えませんが、<記憶>を引き出してくれます。
皆様には、どんな<香りの記憶>がありますか?

※あ、もちろん、しみじみと研修先のことを思いつつ、ケーキを4、5個ほおばったのは私ですが…

プティ・ルソン・ドゥ・ショコラ⑫ロッシェ

皆様こんにちは、杉本都香咲です。
本日は久しぶりのショコラレッスンです♪母の日の手作りプレゼントにも最適!暑くなる前に頑張って作ってみましょう!

今回のメニューは<ロッシェ>。
フランス語で【岩】という意味です。岩のような形に成形したチョコレートやクッキーのことを、お菓子屋さんでは<ロッシェ>と呼んでいます。
roche.jpg

なお、テンパリングに関しましてはプティ・ルソン・ドゥ・ショコラの10回目11回目をご覧ください!

=ロッシェレシピ=
水            25ml
砂糖           25g
アーモンドスライス    25g
ライスクリスピーなどのシリアル 20g
テンパリングしたチョコレート(スイート、ミルクなどお好みで)120g

それでは◇作り方◇です!

① 水と砂糖をお鍋に入れて1回沸騰させます。沸騰したら火から下ろしてアーモンドスライスを入れて軽く混ぜ、冷めるまで置いておきます。
② ザルなどで①のアーモンドスライスのシロップを切ります。
③ ベーキングシートやベーキングペーパーの上に、②のアーモンドスライスを出来るだけ重ならないように並べて170~180℃のオーブンに入れて焼きます。
※綺麗な焼き色がついたらオーブンから出し、そのまま冷まします。
④ 完全に冷ました③とライスクリスピーをボウルに入れて混ぜ、その中にテンパリングしたチョコレート120gを加え混ぜます。
⑤ ベーキングシートやベーキングペーパーの上にスプーンなどを使って、好みの大きさに(少し山っぽくなるように)盛ります。
⑥ 冷蔵庫に入れて固まれば完成です!

(保存方法)
乾燥剤などを入れて涼しい場所で保存してください。(これからの季節は冷蔵庫で保存した方が良いかも知れませんね。)

プティ・ルソン・ドゥ・ショコラ⑬アマンド・ショコラ

皆様こんにちは、杉本都香咲です。
今回も前回に引き続き、ショコラレッスンです♪

前回はスライス状のアーモンドを使った<ロッシェ>をご紹介しましたが、今回は皮付きアーモンドのホールを使った<アマンド・ショコラ>をご紹介いたします。

アーモンドをキャラメルでコーティングし、その上からテンパリングしたチョコレートでコーティング。お酒の“おつまみ”にもぴったりの一品♪ よかったらぜひ、「どんなお酒と合うのか」コメントくださいね。待ってます~
almondchoco04.jpg

なお、テンパリングに関しましてはプティ・ルソン・ドゥ・ショコラの10回目11回目をご覧ください!

=アマンド・ショコラレシピ=
皮付きアーモンド    100g
水            10g
砂糖           30g
バター           5g
テンパリングしたスイートチョコレート60g
粉砂糖またはココア    適量

◇作り方◇
① 水と砂糖をお鍋に入れて火にかけます。105℃くらいまで煮詰めたら火を止めて、皮付きアーモンドを加えます。木杓子で混ぜ、アーモンド全体にシロップが絡めます。さらに混ぜ続けていくとベタベタしていたシロップが固まり、アーモンドの周りに砂糖がくっついた状態になります。
almondchoco01.jpg
② お鍋を再び弱火で火にかけ、アーモンドを炒っていきます。火が強いとアーモンドに火が通る前に周りの砂糖が焦げてしまいますので、弱火でじっくり火を通していきます。10分程度炒っていくとアーモンドから「パチパチ」と音がしてきますので、一粒お鍋から出してみて包丁で半分にカットしてみます。カットして中まで茶色く火が通っていればOKです。
almondchoco03.jpg
※火傷する危険がありますので取り出す際は手で触らず、フォークなどを使って出してください!
アーモンドの周りに付いている砂糖が溶け残っている場合は、火加減を少し強くして溶かします。溶ければ火を止めてバターを加え、木杓子で混ぜます。
③ ベーキングシートやベーキングペーパーの上に、②を出します。ここも火傷しないよう十分注意が必要です!アーモンド同士がそれぞれなるべくくっつかないようにフォークを両手に持ってばらしていきます。バラバラになれば完全に冷めるまで置いておきます。
almondchoco02.jpg
④ 完全に冷ました③をボウルに入れて混ぜ、その中にテンパリングしたチョコレート15gを加え木杓子で混ぜます。しばらく混ぜているとチョコレートが固まり、アーモンドが一粒ずつバラバラになります。バラバラになればその中に15gのチョコレートを加え木杓子で混ぜ、再度固まってバラバラになれば同じことを繰り返します。
合計4回、チョコレートでコーティングしていきます。
⑤ 最後のチョコレートを加え固まってくれば、茶漉しなどでふるいながら粉砂糖またはココアパウダーをまぶし完成です!

今回の<アマンド・ショコラ>の難しい点は、アーモンドをキャラメルコーティングするところです。くれぐれも火傷をしないよう、素手でキャラメルを触ったりしないようにしてください!

保存方法ですが、涼しい場所(冷蔵庫など)で保存してください。

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プロフィール

プロフィール

杉本都香咲(すぎもと つかさ)

東京・吉祥寺で洋菓子教室「Mes Enfants Capricieux」を主宰。
企業のレシピ開発、パティスリーの技術顧問及びプロデュースなどを担当、教室内外にて活躍中。
製菓専門学校の教職も務めてきたパティシエール。

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