皆さま、こんにちは、平岩理緒です。ゴールデンウィークに入りましたね。
先日より、チョコレートの扱い方について、製菓学校の授業で習った内容をご紹介しています。
「テンパリング」って、やってみたことは、ありますか?
前回もご紹介したとおり、チョコレートの温度を調整することで、安定した結晶にして、つやよく仕上げることができます。
一般に「クーベルチュールチョコレート」という名称で販売されているものは、カカオバターの含有量が高く、風味がよいのとともに、流動性がよく、作業しやすくなっています。
ただ、カカオバターを構成する何種類かの油脂分の融点が異なるため、そのまま使うと、ブルームといって、表面に斑点状のしみのようなものが出来てしまいます。これは、ファットブルームというものです。
テンパリングにも、いくつかのやり方があります。
たとえば、プロがよくされるやり方で、マーブル台の上にチョコレートを広げ、へらで混ぜながらおこなう方法。
これは、量が多くても、手早くできるというメリットがあるそうですが、最近は、衛生面に関してより気を遣って、別の方法を取ることもあるそうです。
また、この方法をおこなう場合も、台に直接チョコレートを流すと、あとの掃除が大変なので、フィルムシートを敷いて、その上にチョコレートを広げる、といったやり方をすることも。
使い捨てのフィルムシートを利用すれば、より衛生的に、後片付けもスムーズにできますね。
家庭でも手軽にやりやすい方法としては、「水冷式」と言われる、水で冷やしながらおこなう方法があります。
学校では、その方法を、皆で実習しました。
最初に、湯せんでチョコレートを溶かします。
チョコレートの種類によって、融点が微妙に違いますが、スイートチョコレートの場合、50~55℃くらいが目安です。
多くのチョコレートには、溶解するための温度が書いてあるので、それを参考にするといいですね。
これをいったん、水の入ったボウルにつけて、ゴムベラで混ぜながら、少しずつ冷やしていきます。
ボウルも、ずっとつけっぱなしではなく、時々、はずしたりしながら、様子を見ます。
この時、ボウルの底についた水分は、タオルでぬぐって、周囲を水でぬらさないように気をつけます。
テーブルを汚さずに綺麗に使う、というのももちろんなのですが、チョコレートに水分が混じると、その部分はガナッシュのように固まってしまいます。
チョコレートに水分が入ったり、表面に結露したりすると、その水分に、チョコレートに含まれている砂糖が溶け出してきます。その水分が蒸発した後、砂糖が白い結晶となって残ってしまいます。これは「シュガーブルーム」という現象です。
だから、水がはねたりしないように、充分注意しなくてはいけません。
水蒸気が当たることでも、同じ現象が起きるので、湯せんの湯気にも注意が必要です。
使うボウルの大きさにも工夫が必要ですね。
水を張った大きなボウルに対して、溶かしたチョコレートを入れたボウルの方が小さいと、その中に、ぴちゃっと水を飛ばしてしまいがちです。
これは、湯せんの鍋またはボウルについても同じことが言えます。
あるタイミングで、ゴムベラでこすっても、ボウルの底にチョコレートが貼りつくような、ねっとりとしてくる時があります。そこで、冷やすのは終わりです。
温度にして27~28℃くらい。温度計を見ることはもちろん重要ですが、計り方によって、微妙な誤差が出ることもあるので、見た感じ、へらでさわった時の手ごたえを、体で覚えておくことも大事です。
こうなったら、もう一度湯せんで31~32℃くらいまで温めて調整し、ゴムベラで混ぜながら冷やします。
うまくテンパリングができたかどうか、ためしに、様子を見てみましょう。
これは、カードというプラスチック製の混ぜる道具。そのフチに、ちょっとチョコレートをつけたところ。
綺麗なツヤが出ていますね。これを室温に置いて、ほどなく綺麗に固まればOKです。
いつまでも固まらないようだと、最初の温度の下げ方が足りなかった可能性があります。
ただし、室温があまり高いと、なかなか固まりにくいです。
また、白っぽい筋が出てしまうこともあります。これは、最後の混ぜ方が足りないのだそうです。
その他にも、種付け法といって、チョコレートを細かく刻んだものを、一部とっておき、湯せんでとかしたチョコレートの中に加えて、核のような役割を果たすものを与えてやり、結晶をつくらせる方法もあります。
そして、このようにテンパリングしたチョコレートを使って、色々な飾りを作ることができます。
お菓子屋さんでケーキを買うと、上に、色々な形をした、チョコレートの飾りが乗っていますね。
羽のような飾り、くるんとカールした、シャープな細い飾りなど、一体、どうやって作っているの?と不思議に思うものが、あれこれあります。
今回の「テンパリング」編については、ひとまずここで終わり。
チョコレートの飾りの作り方については、またいずれ、ご紹介いたしますね!