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2009年04月21日

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パティシエール・杉本都香咲さんとのスイーツ対談:その4

こんにちは、平岩理緒です。
パティシエールであり、東京・吉祥寺でお菓子教室「メ・ザンファン・カプリシュー」を主宰なさっている杉本都香咲(すぎもと つかさ)さんとの対談、いよいよ最終回です。

最後に、杉本さんのこれからの夢や、これからチョコブログを引き継ぐに当たって、どんなことを伝えていきたいかといった思いをお伺いして参ります。

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平岩:
 お教室は、今の時期、この春から新しく参加する生徒さんが
 いらしたりして、お忙しいですか?
  
杉本:
 はい。2~4月くらいに入会希望の問い合わせが多いですね。
 秋も、お菓子にすると美味しいフルーツや栗といった素材が出てきて、
 「お菓子作りモード」が高まる季節のようです。

平岩:
 そう、春秋の年2回は、雑誌などでも必ずスイーツ特集を組むんですよ。
 今年、お教室でやってみたいことなど、何かありますか?

杉本:
 今年の年末に、生徒さんと、フランス行きのツアーを組みたいと
 思っています。

平岩:
 あら、それは素適ですね!
 皆さんで、色々なお菓子屋さんや道具屋さんを巡られるのでしょうね。

杉本:
 はい。パリ、リヨン、それにアルザス地方のストラスブールなどを
 廻りたいと思っています。

平岩:
 それぞれの町に、有名なお菓子屋さんがたくさんありますね。
 ところで、私もこの春、チョコブログを卒業させていただくことに
 なりましたが、杉本さんも、「オ・グルマン・カプリシュー」の
 店舗を卒業されて、お教室のみに専念されることになさいましたね。
 お店をやってみたことは、杉本さんにとって、どんな意味が
 あったでしょうか?

杉本:
 お店をやって、不特定多数の方に召し上がっていただくことで、
 自分のお菓子を周りがどう見るか、というのを実感できました。
 万人に好まれるお菓子、というふうにはなかなかいかないですが、
 一度はやってみたかったことでした。その中で、私のお菓子を
 気に入ってくださった方もいらして、よかったなと思っています。

平岩:
 お教室との両立、大変でいらしたこともあったのではないでしょうか。

杉本:
 そうですね。正直なところ、経営的には、教室のみの方がロスが無く、
 採算を取ることができました。お店をやると、労働時間も長くなりますし、
 かなりハードでしたね。でも、お客様に接する商売は本当に大変だという
 ことがわかったのも含めて、色々と勉強になりました。

平岩:
 杉本さんにとって、実りあるご経験でいらしたのですね。
 私も、このチョコブログで、皆さんからいただいたご感想やコメント
 なども嬉しかったですし、色々と勉強になりました。
 皆さんにとても感謝しています。

 杉本さんには、今後、チョコブログを引き継いでいただきますが、
 プロのパティシエールでいらっしゃる杉本さんが、メーカーの
 チョコレートを召し上がるのって、どんな時なのでしょうか?

杉本:
 すごく疲れた時など、メーカーのチョコは、昔からよく知っている
 なじみのある味という感じて、何も考えなくてもじんわりと
 体にしみこむような気がします。

平岩:
 ふと思い立った時にも、コンビニなどで、大人が満足できるような
 凝ったチョコレートを、気軽に買って食べられるようになりましたよね。

杉本:
 今は、チョコレートは子どものおやつというのでなく、大人が、
 本当に美味しいチョコレートに出会う機会が増えましたよね。
 食後に、コーヒーとともに味わったり、お酒と合わせても
 負けないチョコレートなど、メーカーからも、大人向けの商品が
 どんどん出ていて、すごいな、と思います。

平岩:
 杉本さんは、チョコレートをはじめとして、本当に美味しい物の味を
 わかっていらっしゃる方ですから、そういう方が、普段、
 どんな物を召し上がっているのか、どんなお菓子に注目しているのか、
 といったことは、きっと、皆さんも知りたいことだと思います。
 これから、ぜひ、チョコブログをどうぞよろしくお願いいたします!

杉本:
 はい。皆さんに、チョコレートやフランス菓子の美味しさ、
 手作りの楽しさなどをお伝えしていけるよう、私にできる限り、
 頑張りたいと思います。

平岩:
 今日はどうもありがとうございました。
 それでは、最後に記念写真をお願いします!

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まだまだ話は尽きそうにない杉本さんとの対談でしたが、ひとまず
ここで、終幕とさせていただきました。
杉本さん、どうもありがとうございました。

そして、チョコブログをご愛読くださっている皆様、
これまで温かく応援してくださいまして、どうもありがとうございました。

これからも引き続き、杉本さんからお届けするチョコブログを
楽しんでいただけましたら幸いです!


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杉本都香咲のチョコブログ Je t’aime,chocolat!はこちらです。

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2009年04月14日

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パティシエール・杉本都香咲さんとのスイーツ対談:その3

こんにちは、平岩理緒です。
この春、チョコブログを卒業させていただくにあたり、今後のチョコブログを引き継いでいただくパティシエールの杉本都香咲(すぎもと つかさ)さんとの対談を連載でお届けしています。

前回は、杉本さんから、チョコレートを扱うポイント、チョコレートを使ったお菓子作りのコツについて詳しく伺うことができ、勉強になりましたね!

杉本さんは、製菓専門学校の教職も務められた方で、現在は、東京・吉祥寺でお菓子教室「メ・ザンファン・カプリシュー」を主宰なさっています。
そもそも、どうして製菓の道へ進もうと思ったのか、どんなお菓子が好きかといったお話を、引き続きお伺いしていきます。

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平岩:
 ここ最近、女性がオーナーシェフのお菓子屋さんが増えましたよね。
 
杉本:
 そうですね。フランスでは、女性のパティシエ、つまり
 パティシエールは、日本ほどには多くいません。
 女性は、販売員の仕事をするものという意識がありますね。

平岩:
 でも、パティシエールのお仕事は体力勝負ですし、女性が長く
 続けていくのは、なかなか大変ではないでしょうか?

杉本:
 はい。華やかさに憧れてこの世界に入ってくる女性も多いですが、
 実は、肉体労働という面も多々あり、それなりの覚悟が無いと
 続けてはいかれませんね。
 小麦粉のアレルギーになってしまい手荒れを発症したり、
 腰を痛めてしまう方もあります。

平岩:
 今は、幼稚園のお子さんも、将来なりたい職業に「パティシエ」と
 答えるほどの人気だそうですよ。

杉本:
 自分が学生の頃には、まさか、「パティシエ」という仕事が
 そんなに脚光を浴びることになるとは、思いもしませんでした!

平岩:
 杉本さんは、どうして「パティシエール」になろうと思ったのですか?

杉本:
 うちは、母が和菓子屋の娘だったんです。でも、自分は食べなくて、
 実は私も、餡はちょっと苦手で・・特に粒餡が。どら焼きはOKなんですが。
 ところが、父がケーキが大好きで、よく、ケーキ屋さんに一緒に連れて
 いってくれたんです。

平岩:
 お父様が甘党でいらしたんですね。それが杉本さんの原点でしたか。

杉本:
 だから私もケーキは好きでよく食べていたんですが、当時見ていた
 『料理天国』というTV番組があり、そこに、辻製菓専門学校の
 先生方が出演されていて、こういう学校があるんだ、ということを
 知りました。それで、自分もやりたいことをやろう、好きなお菓子の
 勉強をしたい、と思い、この学校へ行こう!と決めたんです。

平岩:
 製菓学校と言っても、そこまではっきりとした目的意識をもって、
 入学する方って、なかなか少ないのではないでしょうか。
 では、今現在は、まさに初志貫徹され、好きな仕事、やりたい仕事を
 やっていらっしゃるのですね。

杉本:
 ところが当時、辻製菓専門学校は大阪にしか校舎が無く、
 大阪に行くことを、父が大反対しました。
 街中だと治安が心配だと言って、よりによって一番学校から
 遠い寮にさせられたんですよ(笑)。

平岩:
 それでもきっぱりと、ご自分の意思を通されたんですね。
 まさに、思い決めたら一直線!という感じですね。
 でも、その後フランスへ修業に行く時にも、ご両親はかなり
 心配されたのでは?

杉本:
 いや、それはもう、大反対されましたよ! でも結局、母が
 父を説得してくれて、行かせてもらえたんです。

平岩:
 フランスでは、どんなお店で修業されたんですか?

杉本:
 リヨン近郊のポール・ボキューズという有名なレストランがある町の先に、
 ヌーヴィルという町があります。
 そこにあったパティスリー・ソムリューというお店で研修しました。
 そのお店がお休みしていた2週間ほどは、リヨンのベルナションという
 ショコラティエでも研修しました。

平岩:
 フランスで出会ったお菓子で、印象的だったものはありますか?
 杉本さんが特に好きなお菓子と言うと?

杉本:
 私、焼きっぱなしのタルトとかが好きなんです。一見、
 生菓子に比べて地味なんですが、クレームダマンドの入った
 「ピティヴィエ」といったお菓子なんかも好きですね。
 シンプルなので、ごまかしが効かないお菓子なんです。

平岩:
 私も、そういう素朴な焼き菓子、大好きですよ。
 本当に美味しいお菓子屋さんは、シンプルな焼き菓子こそが
 美味しいって、よく言いますよね。

杉本:
 最近のお菓子は、複雑になりすぎている傾向があるように思います。
 飾りが派手だったり・・。自分でお菓子を作る時も、組み合わせを
 しすぎないよう、心がけています。
 食べ手が、「これは何を使っているんだろう?」と考え込んで
 しまうようなお菓子では駄目なんですよね。

平岩:
 私、杉本さんの作られる「ピュイ・ダムール」というお菓子も
 好きでした! 以前にお店をやっていらした際、スペシャリテと
 して出していらして、人気でしたね。

杉本:
 ピュイ・ダムールは、作っているお店があまり無いですよね。
 私は好きなんですが・・。

平岩:
 「愛の泉」という意味の、ロマンチックなお菓子なのに、確かに、
 なかなか見かけません。工程が多くて手間がかかるからなんでしょうか。
 カスタードベースのクリームの表面をキャラメリゼして、香ばしく
 仕上げたところをいただくと、とても美味しいですよね。
 1つ1つ仕上げなくてはいけないし、あまり作りおきはできない
 お菓子ですよね。

杉本:
 サバランなんかも、すごく好きなお菓子です。フランスでは、
 「今日は○○の日」と決めて、1日1アイテム、ひたすら
 食べ歩き、食べ比べるといったことをしていました。
 マカロンの日とか、フランスパンの日とか・・。
 「サバランの日」というのもやったのですが、ものすごく
 お酒の効いたサバランもあって、食べ歩きながらついに
 倒れてしまったこともありました!

平岩:
 それは、スイーツ好きらしいエピソードですね・・(笑)


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では次回、杉本さんが今後ご自身でやっていきたいこと、これからチョコブログでどんな話をしていきたいかということなど、お伺いしていきます。


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杉本都香咲のチョコブログ Je t’aime,chocolat!はこちらです。

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2009年04月06日

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パティシエール・杉本都香咲さんとのスイーツ対談:その2

こんにちは、平岩理緒です。
この春、チョコブログを卒業させていただくにあたり、今後のチョコブログを引き継いでいただくパティシエールの杉本都香咲(すぎもと つかさ)さんとの対談を連載でお届けしています。

杉本さんは、製菓専門学校の教職も務められた方で、現在は、東京・吉祥寺でお菓子教室「メ・ザンファン・カプリシュー」を主宰なさっています。

前回は、杉本さんのお教室の様子や、今年のバレンタインで教えられたチョコレートのお菓子などについて、お話して参りました。
引き続き、チョコレートを扱うポイント、チョコレートを使ったお菓子作りのコツについて、より詳しく話を進めて参りましょう。

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平岩:
 チョコレートって、よく「テンパリング」が難しそう、と
 敬遠してしまう方が多いですよね。
 杉本さんのお教室では、どんなふうに教えていらっしゃるんですか?
 テンパリングできたかどうかを確かめるのに、「カード」の端っこに
 チョコレートを浸して、固まるかどうか確かめる、というやり方が
 ありますが・・。

杉本:
 私の教室では、ただチョコレートを溶かしただけで、テンパリング
 をしていない物と、テンパリングをした物とを、両方カードに
 つけて、比較してチェックしてもらいます。

平岩:
 固まるかどうかを待つんですか?

杉本:
 いえ、そのまま冷蔵してしまいます。それを手でさわると、
 テンパリングができていない方は、さーっと溶けてしまいます。
 きちんとできている方は、簡単には溶けませんね。

平岩:
 そうなんですか。さーっと溶けるんだ・・。
 テンパリングにも、フレーク法、水冷法、マーブル法など、
 様々なやり方がありますよね。

杉本:
 うちはフレーク法を基本にしています。

平岩:
 フレーク法は、溶かしたチョコレートに、細かく刻んだチョコレートを
 加えて、安定した結晶核を作ってやる方法ですね。

杉本:
 ただ、ご家庭で、刻んだチョコが余分に無い時など、違うやり方も
 できるように、水冷法というのもある、といったふうに教えます。
 水冷法だと、チョコレートに水が入って失敗してしまうリスクが
 高いので。それに、水で冷やしていくのって、時間がかかるんですよね。

平岩:
 確かに、45℃くらいのチョコレートを、水に当てて27℃とかまで
 下げるのは、かなり根気が要ります。そのうち、力みすぎて、
 ぴしゃっと水をはねてしまったりするんですよね。

杉本:
 水が入ってしまったとしても、すくい取れば大丈夫なんですよね。
 いけないのは、「このくらいならいいか」と、ごまかそうとすること。
 チョコレートは、絶対にごまかしが効きません。

平岩:
 大理石のマーブル台を使ったテンパリングは、どういう場合に
 向きますか?

杉本:
 マーブルだと、大量に一気に温度を下げることができるので、
 しっかりとした綺麗な結晶ができます。
 ただ、最近は、店などでも、衛生的にどうかという点で、
 あまりやらなくなりましたね。

平岩:
 どんなに掃除しても、マーブルの石の隙間に異物が入っていたり、
 広げている間に埃や菌が落ちる可能性がある、といった懸念が
 あるのですね。

杉本:
 テンパリングはしたくないけれど、チョコレートのお菓子を作りたい
 という方には、焼き菓子がオススメですね(笑)。
 今年のバレンタインに、教室では、チョコレートのマドレーヌ、
 ココアパウダーとくるみ入りのクロッカン、ディアマンショコラ
 と言うサブレを作りました。

平岩:
 焼き菓子でも、チョコレートを入れたり、ココアを入れたりと、
 目指す食感や味によって、素材を使い分けるのですね。

杉本:
 マドレーヌは、深めの丸いシェル形で、刻みチョコレートを
 練り込んだものです。
 よろしければ、ご用意したので召し上がってください。

平岩:
 えっ、嬉しいです。どうもありがとうございます!
 お~、刻んだチョコなので、チョコチップとも違う、ところどころ
 ザクザクと歯応えのある感じが面白いです。
 ココアパウダーのみ入れて焼いたマドレーヌより、リッチな
 「チョコレート感」がありますね。

杉本:
 ザッハトルテの生地、「ザッハマッセ」なども、チョコレートを
 練り込んでいるので、ココアを混ぜて焼いたジェノワーズなどに
 比べて、味がギュッと詰まっていて、美味しい!という感じですね。
 ただ、生地が重たくなるので、膨らませるための工夫が必要です。

平岩:
 メレンゲとの混ぜ方や、ベーキングパウダー、重曹を使うなどの
 方法があるでしょうか。

杉本:
 チョコレートって、やっぱり美味しいんですよね。
 うちでも、ガナッシュが余ったら、牛乳と一緒にレンジでチンして、
 ショコラショー風にして飲むと美味しいよ、と生徒さんに言っています。

平岩:
 あー、それ、簡単で美味しそうです。

杉本:
 ショコラショーは、お店をやっていた際も、喫茶で出していましたが、
 ココアのつもりで飲まれたお客様が「今まで飲んだことがない味だ!」
 と驚かれていました。

平岩:
 ココアとチョコレートを比べてみると、香りの感じ方、風味の感じ方
 など、それぞれ特徴があり、違いがありますよね。
 チョコレートの特徴や美味しさについては、これから杉本さんが
 チョコブログを書いていかれる中で、プロの視点から、色々と
 詳しくお話いただけると、皆さんも興味深いと思います!

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引き続き、杉本さんがパティシエールを目指したきっかけ、
学生時代のお話なども伺って参ります。


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杉本都香咲のチョコブログ Je t’aime,chocolat!はこちらです。

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プロフィール

平岩理緒(ひらいわりお)

スイーツファンのためのコミュニティサイト「幸せのケーキ共和国」を主宰。
TVチャンピオン「デパ地下グルメ選手権」で初代女王となる。雑誌やWEB、TV等でおすすめスイーツを中心とする食関連の情報を発信中。
もっと詳しく>>
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