4.総合討論(3)

橋本では、私から。「ベビーマッサージとタッチケアは同じなのか」という質問ですが、やることは基本的には同じなんですけれども、ちょっとフィロソフィーが違うかな。ベビーマッサージというのは、今、あちこちでやっていますが、商売でやっているところが多いです。例えばお母さんのおっぱいマッサージを1回3,000 円とか、そういうふうなことでやっているケースが多いので、このタッチケアは、商売では使わないでくださいということを協会では言っています。お母さん方を集めて、お菓子を出して、500円のお菓子代を求めるのはいいですけれども、究極は、家庭でお母さんが赤ちゃん、子どもにやってもらえるような啓蒙ということです。

もう一つは、ベビーマッサージという言葉もアレルギーをもよおしたのは、外国から来たある講師が、福岡でやったセミナーで、「ベビーマッサージをして脳性麻痺が治りました。プラダーウィリー症候群が治りました」という言葉を使ったのです。そこで僕は「ちょっと待ってください。ベビーマッサージで脳性麻痺が治った? プラダーウィリーが治った? それはまがい物で、そんなことを言ってはいけません」ということを言ったのですが、そんなもので病気が治るものではないですね。

だから、タッチケアというのは、Therapy(治療)という言葉ではなくて、やはり「Care」という言葉がいいだろうということなのです。病気を治す手段ではないということです。

もう一つ、今、ベビーマッサージの認定あるいは講習を受けるのは、結構値段が高いですよね。3日間で25万とか、2日間で10何万とかする。僕らのところは2日間で1万幾らぐらいです。そういう違いがあります。ですから、ちょっと商売的になっているのがあるかなという、そういう差があります。

ただし、それだけ高いお金を取って講習しているという中には、中国のツボを教えながら、ツボと関連してマッサージをやっているとか、ちょっとそれより奥に入ったようなことで、まあ、それはそれでいいと思います。