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特集 「子どもたちをタバコから守るために」

静岡市保健所長 加治正行先生

禁煙治療の勧め

様々な調査で、タバコを吸っている人でも「本当はやめたい」と思っている人のほうが多い、という結果が出ています。それでもなかなか禁煙できないのは意志が弱いからだ、とよく言われますが、そうではありません。禁煙できないのは「ニコチン依存症」という病気である、というのが現在の医学常識です。

病気ですから治療が必要で、実際に治療法があって、しかも医療機関では保険診療で禁煙のための治療を受けることができます。

今では禁煙治療薬のニコチンガムやニコチンパッチ、あるいは内服薬(商品名:チャンピックス)を使って、楽に禁煙できるようになりました。

ニコチンガムはニコチンを含んだガムで、タバコが吸いたくなった時に口に入れて噛み、1日に噛む個数を徐々に減らしていきます。

ニコチンパッチはニコチンを塗った貼り薬で、1日1枚、朝起きた時に貼って、夜寝る前にはがします(24時間貼る場合もあります)。そして、徐々にパッチの大きさを小さなものにしていきます。

これらの薬を使うと、ニコチンが少しずつ体内に入ってきますから、「ニコチン切れの禁断症状」がなくなり、タバコを吸いたいという欲求が起こりにくくなります。そうして楽にタバコを吸わないでいられて、数週間から2〜3ヵ月経つとニコチン依存がなくなり、その後は薬を使わなくてもタバコを吸わないでいられるようになります。

チャンピックスという内服薬は、「飲むとタバコが吸いたくなくなる」という画期的な錠剤です。

医療機関では、ニコチンパッチまたはチャンピックスを使う治療を保険で受けることができます。(ただし、保険適用には一定の条件があり、喫煙指数が200以上の場合に限って保険がききます。喫煙指数とは「1日あたりの喫煙本数」と「これまでの喫煙年数」をかけ算した数字です。)保険がきくと、3ヵ月間に5回の通院で、自己負担は合計12,000〜18,000円程度で済みます。

また、ニコチンガムとニコチンパッチは、今では薬局で市販されていますので、それを購入して使うこともできます。 ただし、病院で処方されるニコチンパッチには、大・中・小の3種類のサイズがありますが、薬局で市販されているニコチンパッチのサイズは、中・小だけですので、注意が必要です。

このように、今では楽に禁煙できる方法がいろいろあることを紹介して、園児の親御さんにぜひ禁煙治療を勧めていただきたいと思います。

今「子どもを守る」ことがわが国の大きな課題です。事故や犯罪から子どもたちを守ることはもちろんですが、タバコから子どもたちを守ることも大人の重大な責任です。

「禁煙は愛」と言います。「子どもを大切にし、家族を大切にし、そして自分自身も大切にするために、タバコをやめましょう。」と呼びかけたいと思います。

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