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第二十四回 母子健康協会シンポジウム 保育におけることばの問題と対応
2 ことばの遅れと対応
神奈川県立保健福祉大学教授 前川 喜平



前川 まず、言葉の遅れを理解するには、言葉の発達を理解しなければなりません。

ことばの発達の必要条件


 言葉が発達するには必要条件が二つあります。一つは、生まれたときからの脳の機能です。
 脳の機能は三つに分けられます。一つは、耳が聞こえるかどうか。二つ目は、言っていることを認知して理解する知能に関する部分です。普通の言葉に関する知能的なものが備わっているかどうか。それから三つ目は、言葉を話す上での発語能力です。ちゃんと呼吸が調節できて、舌がちゃんと回って発音ができるかということ。この三つが、言葉を話すのに必要な脳の機能なのです。
 それから二つ目に大切なのが、養育環境です。言葉が育つような養育環境で育てられているかどうかということです。人間の言葉の発達というのは、全部、人間の脳にプログラムされて入っているのです。そのプログラムが、発達とともに、一定の月齢というか、時期になると一つ一つ引き出されていくのです。それが面白いところです。養育者とか周りの人々が、その発達の時期にふさわしい係わり方をして、それが積み重さなっていって、言葉を理解し話せるようになるのです。



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